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Works Report 活動報告

2003/01/01

大阪デザイナーズウィークでコラボレーションがスタート

辻村久信+下出祐太郎
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最先端をいく人気デザイナーの辻村久信氏と蒔絵師の下出祐太郎氏のコラボレーションは、今春よりスタートしていましたが、その作品の一部が大阪デザイナーズウィーク(2002年10月31日〜11月4日)の協賛イベントとして開催された「WA-QU展」で発表されました。京都をベースに活躍するクリエーターたちが現代空間におけるWAをテーマにさまざまなデザインの実験を繰り広げた「WA-QU展」。
会場でのインタビューに答えて下出氏は、「ステンレスという金属的なものと和の漆がこれほどあうものだとは思っていなかったので、大変興味深い実験だなぁと感心しました。
昔からの技法の中に、器物に和紙を張って、漆を染み込ませて和紙の風合いを生かす一閑張りという手法があるんですが、この椅子では座面にこの技法を使っています。
下に朱漆を浸透させ、その上に漉き漆を塗り、それを研ぎだして、下に入っている模様を研ぎ出す形になり、漉き漆の間からところどころ朱漆が浮かび上がるという表現になっています。漆を塗り重ねることによって紙に漉かれた波のラインが浮き出てくるという効果を生んできています。
伝統的な工芸も必要に応じて発達、進化してきたと思いますから、現代的な洋に生かされることは大変いい試みだと思います。」
辻村氏が選んだのは、落水紙という和紙。古くからある技法ですが、紙を漉くときに水を落として模様を作るという技法から生まれるもの。この和紙の独特の模様が漆にさらにデリケートな表情を醸し出ししています。
「伝統の技術と最先端の素材、このふたつに何か新しいものを生み出していく可能性があると思う」と辻村氏は語ります。今回のWA-QU展は、ミラノサローネへ向けてのイントロダクション。「本物の伝統工芸や生活様式をちゃんと紹介できれば、相当インパクトのあるものになると思います。」


京都のクリエーターが和をテーマに競演
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WA-QU展のプロデューサーで、ミラノサローネへ向けての我々のパートナーである中塚重樹氏はこう語る。
「伝統工芸をどう現代に生かすかというのが基本的な考え方で、今回の試みは伝統工芸の手法を少しづつ使って、モダンなデザインを取り入れるという試みを各デザイナーが行いました。
この大阪デザイナーズウィークでは、京都の空気を感じるとか、和の感覚が面白いという評価を受けました。日本人から見ても「和」というのは特別なもののようですね。

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我々は、ものを見せるということよりも、ものが置かれる状況、シチュエーション、空間をどう作るがが基本にあります。空間を演出するということが、今回も大きなポイントになっているのですが、今後もこういう考え方を進めていきたいと思います。
ミラノサローネにおいても、基本的なコンセプトは、日本の、特に京都の伝統工芸をどう現代に生かすか、そこにアバンギャルドなデザインをどう挿入するかということがテーマです。
近代デザインが世界的に息詰まっているといわれる今、ヨーロッパの人々もデザインのエッセンスを探しているということなので、我々は日本の、京都のオリジナルをプレゼンテーションしたいと思っています。」


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喜多俊之氏のJAPAN DESIGN IDENTITY
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「心豊かなモノのデザインの心は、日本の伝統工芸や数寄屋建築の中に生き続けている。それらをアイデンティティーとしてこれからの日本のデザイン、豊かなくらしを考えたい。」と大阪の暮らしのギャラリーがプロデュースしたジャパンデザイン・アイデンティティー展。大阪デザイナーズウィークの中でも注目すべきイベントでした。数寄屋建築の巨匠・木下棟梁や左官の久住棟梁による展示と実演、京唐紙の「唐長」、京指物の井口彰夫氏など貴重な伝統の技と未来のデザインを考える喜多俊之氏の作品を展示。
喜多俊之氏に京都チャンネルの番組のために会場でインタビューし、次のようメッセージをいただきました。「京都の伝統文化は、生活のなかで育まれてきたものです。日常の暮らしやお祝い事や行事のような晴れの舞台の中で育まれて千年を経て、洗練されて現在の文化になったんですね。こうした文化が衰退するというのは、ものの衰退じゃなくて、生活自体の衰退なんです。生活や暮らしぶりを盛り上げていけば、伝統文化というものも復活してくると思います。ただ、今は世界中の文化が入ってきていますから、これからは世界に向けて研究して、こういったすばらしい技術や考え方を発信していって、世界の中の京都としてやっていくべきですね。

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京都に足りないのはプロデューサーですね。プロデューサーと一緒になってものづくりしていくことが必要だと思います。
世界の高級ブランドは京都の伝統工芸を参考にしていますから、京都に発注もしていますが、本来の屋号で世界に再出発するというやり方を早くやらないとだめですね。時間は待ってくれないと思います。
世界中にはすばらしい暮らしをしている人がいっぱいいますから、本物の値打ちをわかる方もたくさんいます。そういった方たちに向かって発信しないと。値段の競争じゃないんですね、クォリティとか、センスとか、そういう競争ですね。海外と、国内とか、分けて考えてしまいますが、今はそういう時代じゃない。世界中の人に、まず本当のすばらしいものを見ていただくことですね。」


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