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選考のなかで今回のテーマに対して、特に優れたアイデアやデザイン性のある作品、問題意識を提起していただいた作品をご紹介いたします。


※画像をクリックすると作品の拡大画像をご覧いただけます。



応募者名
橋本昇太様
作品名

作品解説
ひとつの素材が連続し、ひとつの箱となり機能を持つ。素直な形は伝統もモダンも飲み込む。

選評
日本の造形美の伝統を感じさせる格子の美しさ、照明器具として光のアイデアなどもっとも評価を得た作品です。ただ制作に於いて伝統工芸としての技術が生かされていないことが残念です。角材を接着しているという部分に指物技術が使われていれば、より完成度の高いものになったと思います。またサローネへの出展を考えるとサイズ的に欧米の生活空間に見合ったものにする必要があるでしょう。



応募者名
石川新一様
作品名
竹のワインセラー(ストッカー)

作品解説
この竹のワインセラーは、形式的な用途にされがちな、京都の竹材工芸のあり方を、少しでも一般の人へ開かれたものにしていきたいと思い作成しました。デザインは使う人にできるだけ生活の中で様々な発想を持っていただけるように、シンプルな竹筒にしました。そうなることで、そのまま積んでも、ストッカーにいれても、ヒモでくくっても、収納棚やガレージの横へ納めてもかまいません。自然素材のもつルーズフィットを心がけ、その良さを残しながら、迎賓のワイン演出で展開したデザインです。

選評
竹を使ったワインセラーというアイデアは可能性を感じるものです。壁面を埋めるくらいのサイズを想定すると良いものになるのではないかという意見がありました。惜しむらくは竹とフレームの一体感に乏しいという点です。



応募者名
日原佐知夫様
作品名
SACHI(URUSHI+Acrylic)

作品解説
SACHI(幸)”は“しあわせ”を飾る飾り棚です。一枚のアクリルを折り紙の様に曲げ、波形に合わせています。脚部は鉄製で、漆塗りで仕上げています。構造もシンプルで、ウルシの脚にアクリルの筒を差し込むだけで完成します。工業素材のアクリル樹脂と伝統工芸のウルシの融合は、欧米人だけで無く日本人にも新鮮な感動を与えるものと信じています。

選評
完成度の高いデザイン作品ですが、フレームに漆を使う必然性に疑問が残ります。今後の伝統的な技法を生かした作品に期待したいと思います。



応募者名
野見山聡一郎・辻浩喜様
作品名
bamboo pendant

作品解説
私達は京都の伝統工芸の一つである茶筅を利用した照明機具を提案します。一本一本丁寧に梳きあげられた竹の穂の隙間から、仄かな光が溢れるペンダントライトです。後世に伝えるべき伝統技術によって、新たな価値観を与えられた茶筅は、伝統に対する敬意の表れであり、現代社会に対するアンティテーゼでもあります。

選評
茶筅を使用した照明器具というアイデアは面白いものですが、作品の完成度に難があります。このアイデアをふくらませて、美しいランプシェードに仕上げるという創意と技術の研鑽に期待したいと思います。



応募者名
福嶋秀子様
作品名
Square

作品解説
空気には目に見えない流れがあって、それを感じるモノがあって、それで空間にある意味構成されているんだと思います。その流れのようなものを感じる間仕切がつくりたくて、この衝立をつくりました。自然そのままがかたちになった和紙は、いろいろなかたちに置きかえることで、自然にどの空間にもなじんでいきます。ほどよいキョリ感を保ちながら、この衝立は置かれる空間と存在する人によって、最終的に仕上がっていきます。

選評
3組の連作ですが、ひとつのパーテーションとして仕上がっていればさらに良かったと思われます。和紙のデザインを接着ではなく一枚で漉きあげるという技術や、フレームのデザイン性、完成度を高めていくことに期待させていただきます。



応募者名
臼井康文様
作品名
サスライ

作品解説
心を正し静かに、ろうそくと線香をそっと仏前に供える。そんな和の伝統的な行為そのものを現代的に表現している。「あかり」を灯すという行為が、多くの場合スイッチ(あまり見栄えのしない)やコンセントの抜き差しで行われており、趣がなく興ざめである。そこで、そのon/offの行為そのものをデザインできないかと考えた時、前述した和の伝統的な行為とそれが結びついた。2本の棒を差す穴が開けられた箱に、棒を奥まで差し込むとその先端のライトに「あかり」が灯る。使い手が棒を差すことにより灯るので”サスライ(差すlight)”と命づけた。ベースの箱を極めてシンプルにすることで、差すという行為をより際立たせた。サスライのスイッチは使い手の行為そのものであり、使い手はそのインターフェイスとなり器具に積極的に加わることになる。

選評
アイデアの面白い作品ですが、用途性への疑問も投げかけられました。くわえて作品自体に伝統工芸がどこに用いられているのかという点でも評価の対象外となってしまいました。



応募者名
中井匠美様
作品名
月光(TUKI-HIKARI)/花風(HANA-KAZE)

作品解説
ステンレス枠、手描き糸目友禅との組み合わせの照明器具。

選評
伝統工芸の活用の方向を示すものといえますが、テキスタイルとステンレスフレームのマッチングに疑問が残ります。またフレームのシェイプに新しさが感じられないのが残念です。





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